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2023.2.24作成


概要



 バス車両では窓周りや扉そのものにて黒色で処理されていることがあります。北鉄グループでは1980年代中盤より黒く処理されるケースが出始め、1990年代後半より数多くのバリエーションが派生するようになりました。少なくとも現在では8種類あるのを確認しています。このページでは、塗り分けの分類に関して登場した時系列順に紹介していきます。

※分類の名称は公式団体などが定義したものではなく、管理人が便宜的に定義付けたものとなります。
※車両図は管理人がExcelにて図形を駆使して作成したものとなります。使用したい場合は管理人宛てにご連絡頂ければと思います。
※各形態の説明は、自社購入車に焦点を絞って進めていきます。次に示す内容に関しては、今後追加予定のトピックで扱う予定です)
 ・ラッピングバスを除く後天的にデザインが変わったケース
 ・コミュニティバス
 

A


 黒の塗り分けが全く施されていないオーソドックスなスタイルです。1980年代中盤までは全車種の標準的なスタイルとして、1990年代後半に入ってからも低床バスで数々と採用されていました。

 まず一番古い時代に遡ると、1984年度の新車までは全車種に渡って塗り分けが行われていませんでした。翌年度の中型、大型の新車からは黒く塗り分けが行われるようになったため、僅か2回しか導入されなかった日野RTは、この塗り分けも大きな識別点となりました。



1983年のみの導入となった日野初のスケルトンボディ、K-RT。

 その後、大型や中型の一般路線車はこのケースが途絶えますが、日野の小型車や特定路線向けでは連綿と続いていくこととなります。

 小型車においては、日野RBが1988年の最終導入まで続いてました。側面下部分のモールも相まって、まるで83年RTのデザイン意匠を継いだかのようです。



1985年から3年かけて38両配置され、道路事情の悪い路線のワンマン化に貢献した日野RB

 1997年7月、初めて導入された日野リエッセにおいても、RBと同じく塗り分けの無い仕上がりとなりました。

 特定路線用途においては、1994年に開設された「城下町かなざわ周遊(現:城下まち金沢周遊)」用の新車が窓周りがボディ色という仕上がりとなり、路線バス用の新車としては久々となりました。これは1997年4月導入の27ー503、504、更にはボンネットやポンチョの28ー824にも引き継がれました。

 このほかの一般路線用途に関しては、1997年12月に初のノンステップバスで再び黒に塗り分けられていないスタイルとなり、帯のデザインが変更されながらも復活する流れとなりました。

 1999年以降もふそう製の全車種、日野リエッセのほか、流線型カラーを持つHRや日産ディーゼル各車種にも波及していきました。(同カラーのHRは2003年度にてアレンジ。)

 2005年度に9年ぶりの大型ワンステップとなった、ほくてつバス(株)配置のPJーMP35JMも例外なくこのスタイルとなり、日野を除くワンステップバスの標準スタイルとしても確立していきました。



日産ディーゼルがふそうとの相互OEMとなった後にも継承

 2014年度にMP35ワンステの導入が途絶えてからは、MP38ノンステのみで続いていました。しかし、2019年度に同型がアレンジされたため、2017年度導入車が今のところ最後の採用例となっています。

B



 両扉の周りに黒塗装が施されたスタイルとなります。1980年代から1990年代中盤にかけて導入された新車の標準仕様となっていました。

 1985年度の新車より中型、大型の全車種で一括して変更され、初代ワンステップバスが導入された1996年度まで継続していたとこから、「低床冷房車」の新たな標準仕様として落とし込まれていた様子が窺えます。



窓周りの処理に関しても変化の波に乗ったP-RT。

 金沢地区(加賀白山バス(株)を除く)では99年3月導入の日野製ノンステが最後となった一方、能登地区や加賀地区では連綿と続き、02年導入までのRJ、MKワンステップ(当初の石川22き922が該当)がこのデザインとなっていたほか、最終的には赤帯を纏って新製されたHRの全てがこのタイプと相成りました。



低床冷房車の意匠を継いだ赤帯の中型バス
左:七尾バス㈱:922(→北鉄能登バス㈱:38-922)
右:加賀白山バス㈱:61-205



かつて能登、加賀地区で見られた赤帯を纏ったHRノンステ(能登中央バス㈱:KK-HR1JHEE)



C


 Bの処理方法に加え、両扉全体が黒塗装で処理されているスタイルとなります。1996年度に導入された富士重ボディ架装のKCーJPで初めて採用されましたが、それ以降では長らくの間、採用実績が皆無となっており、同型の2両に留まる状況が続きました。

 富士重ボディのJPが導入されてから20年後、一般路線向けで初導入となった日野ポンチョが流線型カラーでこのデザインとなり、この組み合わせの新車が26ー326で再び見られるようになりました。それ以降の新車では1ドアに改められましたが、扉部分が黒処理となっているのは継承されています。


D


 両扉全体のみ黒塗装が施され、周りはボディ色で仕上がっているスタイルとなります。日産ディーゼルのシャーシを持つ「Petit(プチ)」のみで見られた形態でした。

 1998年度導入の富士重ボディを架装したRNが発端となり、西工ボディに代わってからもこのデザインが継承されていましたが、21世紀に入ってからは、新車での採用例は皆無となっています。


E


 中扉の上部分とその周辺に黒塗装が施されたスタイルです。流線型カラーを纏ったHR、および一部のRJで見られる形態となります。

 2003年度導入のHR、RJにて初めて採用され、中扉のみ黒塗装が施されるケースはこれが初となりました。2006年度をもってHRの投入が途絶えてからは、新たな採用例は無しとなっています。



左:赤帯のRJも同時にチェンジ!(加賀白山バス㈱ 63-206)
右:流線形カラー+中扉周りのみ黒処理という組み合わせは、HRが唯一。


F


 両扉の上部分とその周りに黒塗装が施されたスタイルです。前扉の塗り分けが非常に特徴的です。

 初のPJーKVとなった25-106107のみで見られる形態であり、前扉において上部分のみに施されるケースはこれが初となりました。前扉にて、赤色と対になるように黒塗装が施されていますが、これが最初から施されていたのかは分かりません。


G


 両扉の上部分とその周りに黒塗装が施されたスタイルです。こちらは両扉とも下部分が同じ位置となっています。

 2006年度にほくてつバス(株)に導入されたKV234を皮切りに、北陸鉄道(株)配置の同型やレインボーⅡにも波及し、徐々にジェイ・バス宇都宮ボディの標準形態として確立していきました。また、最初から自社のラッピングが施されている21-927は、この仕上がりとなっています。

 2013年度に同ボディでの導入となった「城下まち金沢周遊バス」も例外なくこの仕上がりとなり、KV290へフルモデルチェンジした後も継承されました。

 2019年度からは、ラッピング施工車を除いて形態Aを長らく採用していたMP38もこの塗り分けとなり、ノンステップバス標準スタイルと相成りました。


H


 前扉全体と中扉の上部分、両扉周りに黒塗装が施されたスタイルです。前扉のみ全体が黒く処理されているのが特徴です。これは新製車の一般塗装には見られない形態であり、ラッピングバスでしか見られないものとなります。

 ラッピングバスに関しては、ガイドラインに沿うためなのか、直近の施工車は全てこのタイプとなっています。少なくとも2014年以降に施工された車両は、全てこのタイプに統一されているものと見られます。


参考資料
・北陸鉄道(株)発行 「ほくてつ」各号(石川県立図書館所蔵)
・北陸鉄道(株)発行 各年度営業報告書(石川県立図書館所蔵)
・BJハンドブックス V26
・バスラマ 第17号
・バスマガジンvol.1
・金沢市ラッピングバスガイドライン(2022年1月1日改正)
 https://digilib.city.kanazawa.ishikawa.jp/preview/pdf/E3-KvQAAA
 (金沢市公式HP https://www4.city.kanazawa.lg.jp/s/index.html)














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